8/30はmusic特集(sound art金曜夜8時)

今回の5週目特集は、ピアノ

5週目のある週は、通常の番組構成ではなく、音楽にフォーカスしています。
Kuniのおしゃべりはちょっと控えめに、音楽をたっぷり楽しんでいただいています。Sound Artでは、取り上げる曲は基本的にフルバージョンでお届けしよう(ラストのクラシックは除きます)、というのがコンセプトですけど、それでも普段では中々かけられない、長めの楽曲なんかも5週目にはかかりますよ。

さて、今回はテーマがありました。

クラシックミュージック日本人ピアノ、でくくると出てくるのは、、、

フジコヘミング辻井伸行
他のピアニストを思い浮かべた方もいるかもしれませんが、今回はこの二人に焦点を合わせて、音楽の聴き比べをしました。クラシック音楽というのは同じ曲がその人の弾き方によって全然雰囲気が変わります。指揮者によっても全く違う仕上がりになりますから、面白いです。

白と黒の意味はなんでしょうねぇ?

辻井さんが、ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールで日本人として初優勝したのはちょうど10年前。当時20歳の青年のすばらしい演奏は審査員にまで感動と興奮をもたらせた、という逸話が今でも語られているほどです。

フジコさんは、子供の頃からの類まれなる才能で、海外の名だたる音楽家から認められ、その将来を嘱望されたその矢先に、聴力を失うというアクシデントに見まわれたけれども、失意の中、希望を失わず弾き続けたことで、今では世界中にそのファンがいるという、聴く人を魅了する力を持つ方です。最後にお届けしたラ・カンパネラは、技巧を要する難曲と言われるのですが、1999年に発売されたファーストCD『奇蹟のカンパネラ』は200万枚を超える枚数を売り上げ、クラシック界異例の大ヒットを記録したということです。

お二人に共通な、身体的な逆境を克服し、自分の感覚を頼りに独自の世界を繰り広げる演奏は、人の心を強くつかんで離しません。どちらもあのニューヨークのカーネギーホールで演奏をするという音楽家の夢を成し遂げています。

お届けしたのは
ノクターン/ フレデリック・ショパン (ワルシャワ公国ー仏 39歳)
ラ・カンパネラ・愛の夢/ フランツ・リスト (オーストリアー独 74歳)
雨の庭/ クロード・ドビュッシー (仏 55歳)
亡き王女のためのパヴァーヌ/ モーリス・ラヴェル (仏 62歳)

↑こちらもちょっと比べてみようと、ご参考までに、作曲家が産まれた順に並べてみました。( )内は、産まれた国ー亡くなった国、没年齢。全員が1800年代、19世紀産まれです。曲がかかった順番は、以下の楽曲リストになります。

ノクターンは英語で夜想曲。カンパネラはイタリア語で。パヴァーヌは16世紀にヨーロッパの宮廷で流行していた並んで踊る舞踏のこと。単語はフランス語ですが、名称の由来は諸説あるようです。さらには、亡き王女は誰なのか?と思ったら、原題ではスペインの王女の称号インファンタが使われて、特定の王女を指しているわけではないので、王女のための葬送曲ではなくて、スペインの王女が踊ったようなパヴァーヌ、ということらしく、風習や文化などをあらわすために作られたのだとか。どうやら、こうやって調べていくと、Sound Artでいつかクラシック曲名や作曲家を紐解く旅に出るのもそう遠くはないかも!

それぞれの曲がどんな風にみなさんに響いたか、とても興味があります。普段はあまりクラシックは聴かない、という方も、これをきっかけに、他の人の演奏もぜひ聴いてみてください。お気に入りの演奏家が見つかったら、きっともっともっと楽しくなると思いますよ!

楽曲リスト