Sound Art 143(Fri.夜8時) 4/3は「Purple/紫 vol.1」

2020年度は高貴なスタートから?

4月の最初のSound Artは「Purple/紫」の旅でした。

Purple flower

昨年ラストの分析から、少なかった色シリーズで始めてみようかと。ディレクターに敬意を表して、お好みだという色、をチョイス!

改めて見回すと案外見当たらないのが、というのに気づいたんですが、紫色がどうやって作られてきたのか、国内外ともに調べてみました。なぜ高貴なのかというと、貴重だったから、というのが共通なようです。

今回も色々な角度からパープルを紐解いてみました。

Word/ コトノハ 日本の紫草から。ヨーロッパのパープルから。どちらも栽培や抽出が難しく貴重だったことから、紫色の衣服は高貴な身分の高い人しか着ることが許されなかった禁色(きんじき)だった。僧侶の袈裟もそうですよね。

Create/ 創作 今回は万葉集シリーズです!ぜひ、下(↓)の音声で聴きながらお読みくださ~い。(がんばって、現代語訳もつけてみました)

あかねさす 紫野行き 標野行き 野守は見ずや 君が袖振る
 (額田王 巻1-20)
茜色の紫草の野へ行って 御料地を歩いてるとき 警護の人に見られちゃうかも あなたがそんな風に 袖を振ってるから(袖を振るというのは求愛表現)

紫の にほへる妹を 憎くあらば 人妻故に 我れ恋ひめやも
 (大海人皇子 巻1-21)
紫草のようにかぐわしい君を 憎んでるわけなんてないでしょう いまは兄の妻ではあるけど いまでもお慕いしております

危険な不倫の恋の危険か!と思えそうですけど、この時すでに二人はもうかなりの年齢で、宴席での一興だった、というのが真相らしいですが。。。本当の所は本人たちにしかわかりませんね。

紫草の 根延ふ横野の春野には 君を懸けつつ うぐひす鳴くも
 (巻10-1825 よみびとしらず)
紫草の根が張っている横野。その春の野であなたのことを思っているみたいに鶯が鳴いてますよ

託馬野(つくまの)に 生(お)ふる紫草 衣に染め いまだ着ずして 色に出でにけり (巻3-395 笠郎女)
託馬野に生えるという紫草で衣を染めるように 自分も(あなたの色に)染まっちゃったの。まだ着てもいないのに人にばれちゃった?

まだ契りを結んだわけでもないのに、あなたを思い慕っている事が世間の評判になってしまった、ということですね。隠し事ができない人のようで。。

<注:番組では「生(いき)ふる」と読んでしまったのですが、正しくは「生(お)ふる」です。訂正させていただきます。調べ足らずで、すみません>

紫は灰さすものぞ 海石榴市(つばいち)の 八十の衢に 逢へる子や誰れ
 (巻12-3101 よみびとしらず)
紫を染めるには椿の灰を使う。その椿の名がある海石榴市で出会った娘さんのお名前は?

紫草を 草と別く別く 伏す鹿の 野は異にして 心は同じ
 (巻12-3099 よみびとしらず)
紫草を高貴な草として他の野草と区別して伏している鹿のように、身分が違おうが離れていようが 思いは同じ

この他にもまだまだ紫草の歌はたくさんあります。こんな風に歌になる植物で貴重な色、特別だったということがよくわかります。

Music/ 音楽 音楽もこれからもっととりあげていこう、という昨年度末の分析から、今回は懐かしい八神純子「パープルタウン」を取り上げました。もうパープルと言ったら、私の場合はこれしか出てこないっ💦。調べていたら発売に関するサブタイトルの裏話があったり、とビックリ。今回は新しいバージョンの全く違うアレンジの曲がかかりましたよ(別の歌手のリメイク!)。さらには、ディープパープルのバンド名の由来が、アメリカの「ディープパープル」という曲だった。それはバンドのメンバーのおばあちゃんのお気に入りの曲だった、って!

パープルつながりは、こうやってどんどんと広がっていきそう~♪

音声アーカイブ

番組の音声をこちらでお楽しみいただけます。

Sound Art: 143「Purple/ 紫 」(2020.4.3) (トーク部分のみ)

楽曲リスト